認定看護師の資格の中には、感染症の予防などに特化した「感染管理」というものがあります。この資格を持つ認定看護師は、感染症の拡大を阻止するために衛生管理に努めることが求められるのです。感染症には、大気中に蔓延している細菌が体内に侵入して活性化されるものだけではなく、動物を介して人体に侵入したり、食べ物や水が媒介して侵入する症例も見られます。微生物の体内への侵入により、細菌が体内で増殖することで身体に異常をきたしますが、増殖するまでには一定の時間が必要です。この増殖期間中に病原菌の保有者が細菌を排出し、他者へ感染させてしまう症例が多いのが特徴といえます。そのため、感染の傾向が見られた場合には、感染拡大への徹底した衛生管理と予防法についての情報伝達が重要です。とりわけ、感染源となる患者の治療にあたる医療機関では、院内感染のリスクも高く抵抗力の弱い患者も多いことから、感染が急速に拡大しがちになります。そのため、感染管理の資格を持つ看護師が、院内の衛生管理を徹底するために定期的に巡回をするのです。また、医療従事者に向けて感染症の最新情報や予防法をマニュアルとして配布し、感染症の拡大を防ぐために有効な対策を練るのも感染管理の資格を持つ看護師の仕事となります。感染症の拡大防止の方法には、特殊な薬剤を用いての洗浄や滅菌・消毒などがあります。そして、それぞれの微生物の種類に応じた適切な方法で対策を練ることが不可欠です。そのため、感染管理の資格を持つ看護師が検出された微生物のデータを検証して、効果的な予防策を練ることが求められます。